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自然再生・循環社会対策特別委員会の県外視察
自然再生・循環社会対策特別委員会の県外視察で、熊本県荒尾市にある㈱有明はグリーンエネルギーを見学させて頂きました。
木質によるバイオマス発電により、地域環境に貢献しております。
昨年の熊本震災や先日の水害で発生した廃材、流木などもチップ化して発電の燃料にしたそうです。
普段は廃材の他にも、年間70000トンの未利用木材を有効利用していることで、森林整備にも貢献していています。
さらに、再生可能エネルギーによる発電事業でCO2を年間約20000トン削減し、地球環境に貢献もしております。
ただし、再生可能エネルギーの固定買取制度によって国の定める固定価格で電気を買い取っていただかないと採算が取れないとの事でした。
視察二日目。
午前中は、熊本県水俣市にある環境センターに循環型社会の構築に向けた取り組みについてを視察。
水俣病などで苦難の歴史を持つ水俣市には、国から環境モデル都市に認定され、県の環境センター、国立の水俣病情報センター、市立の水俣病資料館が併設されており、今回は県立の環境センターを視察いたしました。
同センターは、ゴミの分別・減量リサイクル活動などの資源循環社会の構築に向けた活動に市民と協働で取り組んでおります。
ゴミ問題や水環境問題など、諸課題に対する様々な学習を出前講座も含め行っていて、市内の子供達も環境教育をしっかり受け、自然環境の大切さや水俣病などの教訓を学んでいるとの事でありました。
視察二日目の午後は、鹿児島県出水市にある出水市ツル博物館。
野生鳥獣の保護及び管理について視察いたしました。
出水市は日本最大のツルの渡来地で、10月中旬から12月にかけて一万羽を超えるツルが越冬のためシベリアから渡来し、3月頃まで滞留しております。
博物館は「ツル・出水・ふれあい」をテーマにツルを代表とする出水の自然資料を収集・保管・展示し、市民や訪れる人に学習の場や情報を提供するとともに、ツルに関する調査研究を行い、ツルに関する拠点的文化施設を目指す事を目的に、平成7年4月に開館いたしました。
出水市は世界的な越冬地のために、ツルが安心して暮らせる環境づくりや水田の保全など、市民や事業者とともにツルの保護等に関する様々な取り組みを行っております。
また、同市では小中一貫校化した義務教育学校を開設させ、ツル課も設けて地域に根ざした教育にも取り組んでおります。
田んぼに関しては、以前コウノトリの再生に取り組んだ豊岡市と違い、越冬の時期のみにツルは来るので特に無農薬の推進などは行っていないとの事でした。
ただし、餌は年間8,000万円の予算をかけて小麦を与えているそうです。
渡り鳥や野鳥を守る取り組みには、やはり地域を上げた運動と予算が必要だと痛感いたしました。